海に囲まれ入り組んだ海岸線と大小多くの島々がある長崎は、たくさんの灯台が、デンリュウのしっぽのように「うみのみちしるべ」として船乗りたちを導いてきました。
ばしょ 長崎市伊王島町
たかさ 約11m
長崎港の出入口を見渡す、伊王島の北端の高台にある伊王島灯台は、1866年に英・米・仏・蘭の4か国と結んだ江戸条約により、全国8か所に設置された灯台のひとつです。
日本初の鉄造六角形の洋式灯台であり、1871年に本点灯。1870年に仮点灯されてから、灯台職員が宿舎(現伊王島灯台記念館)に常駐していましたが、1971年に樺島灯台と統合され、今は無人となっています。
1945年、長崎に投下された原爆の爆風で被害を受けたため、四角型の鉄筋コンクリート作りに改築され、その後、建設当初の六角形灯台に復元されました。奇跡的に原爆の被害を免れたドーム型の天井部分は、明治時代のまま今も使われています。
灯台へと続く坂道からの眺めは素晴らしく、青い海に白い灯台が映える、絶好のフォトスポットです。
ばしょ 長崎市野母崎樺島町
たかさ 約12m
1932年に設置された樺島灯台は、コンクリート造りの白色円形が美しい灯台です。樺島の南端にあり、展望台からは、天草灘や五島灘の美しい大パノラマが広がり、遠く東シナ海へ出漁する船なども見ることができます。
灯台周辺は公園として整備され、素晴らしい眺望と野鳥の観察ができます。春先には約100本の桜があたり一面を淡いピンク色に染めあげ、多くの人々を魅了します。夕方になると、雄大な五島灘に沈む夕陽が綺麗に見える絶好のポイントです。
灯台近くには、樺島灯台資料館があり、古い灯器や機械類の他、長崎港周辺で海上を見守る灯台や航路標識が詳しく紹介されています。